石油化学新聞 5290号
THE PETROCHEMICAL PRESS
- 三井化学・・・名古屋工場、外部との共創拠点に 次世代事業開発推進
- セーレン・・・設備投資、今期15%増の92億円 車シート合皮など
- 旭化成・・・DX戦略さらに強化 24年度増益貢献100億円に
- 大阪ソーダ・・・岡山工場、電解設備の電極更新 コスト競争力向上
新社長インタビュー 丸善石油化学 馬場稔温氏
コスモとのシナジー追求
脱炭素化など連携でコンビナート強化
「既にグループ内では互いの留分を融通し合うなど石油精製と石油化学の一体運営の仕組みはできあがってきている。だから私が社長になったからといって急に何かが変わるわけではない。ただ、もっと大きなシナジー効果を発現できる施策を考えていきたい」16年に丸善石油化学がコスモエネルギーホールディングスの連結子会社となって以降、初の「コスモ出身社長」となる。コスモ石油時代は主に販売部門と供給部門を歩み、特約店向けの販売や大手需要家向けの販売を担当。ナフサの供給に関わる場面もあった。供給部門ではLP(線形計画法)に基づく供給計画を立てる業務や各地域への石油製品の供給バランスを取る業務に従事した。こうした業務の経験を通じて培ったマネジメント能力を生かし、さらなる進化に向けて丸善石油化学を導く。
<特集>拡大する需要取り込み成長へ~エポキシ樹脂
メーカー各社の戦略と展望
エポキシ樹脂は電気・電子、塗料、土木建築、接着剤、炭素繊維強化複合材料(CFRP)など幅広い用途に使用され、多くは他素材への代替が難しい固有の用途。その市場は世界経済の発展に加えてデジタル化や車両の電動化・自動運転化、さらにはカーボンニュートラル対応といった新たなニーズを取り込みながら広がる方向だ。これを受け、多くのメーカーが注力する高機能品の需要は拡大を続け、環境対応型製品に対する関心も高まっている。成長が期待できる領域を技術力で取り込み、持続的成長につなげていきたい。
概況
国内エポキシ樹脂メーカーの生産能力(単位: 年産㌧)
特殊エポキシ、電気・電子用で急増
基板、封止材 半導体関連が牽引
オリン
中国市場 積層板、風車用に力
世界戦略 三井物産と合弁事業も
三井化学
基本液状 安定供給で信頼向上
市原 増産後も高稼働続く
三菱ケミカルホールディングスグループ
福岡に新系列 半導体関連の拡大加速
環境・安全 開発と顧客提案に力
ADEKA
主剤、硬化剤、希釈剤 総合力で解決策提案
車両用接着 軽量化や電動化支援
日鉄ケミカル&マテリアル
非ハロ系難燃樹脂 一部生産委託で増産
低誘電材料 新樹脂開発含め強化
日本化薬
半導体関連 需要増に応え積極増産
高周波基板用 マレイミド軸に拡大
THE PETROCHEMICAL PRESS
- ADEKA・・・塩ビ用安定剤米で増強完了
- 三洋化成工業・・・太陽光集熱パネル 知財権取得し参入
- 日本ゼオン・・・COP、耐熱高め車載拡大
- 荒川化学・・・光硬化型樹脂を増産
- 帝人・・・GF―SMC 北米トヨタ車荷台に
- 東洋紡・・・PET樹脂から収縮ラベル再生
- 東レ・・・環境配慮型事業 前期17%増収
- ネイチャーワークス・・・バイオプラ新展開へ 韓CJBIOと提携
- ユニチカトレーディング・・・ナイロン11繊維バイオプラ認定
- ダイセルとフジッコ・・・開発中の食品素材機能性表示目指す
- 日本ソーダ工業会・・・4月のカセイソーダ出荷内訳
- カーボンブラック協会・・・4月のカーボンブラック実績
- 化学製品値上げ
・クレハ・・・次亜ソー10円以上
・カネカ・・・EPSを50円
・東ソー・・・CR21日から100円
・三菱ケミカルホールディングスグループ・・・OPSを47円以上
・デンカ・・・スチレン系シート
・エア・ウォーター・パフォーマンスケミカル・・・無水フタル酸など ウレタン原料
・旭化成・・・収縮フィルム
・積水化成品工業・・・PSPを49 円以上