石油化学新聞

THE PETROCHEMICAL PRESS

東レ・・・PPS、世界4拠点で増強 レジンとコンパウンド

エコカー向け需要増に対応

東レは、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)「トレリナ」の生産能力をニートレジン、コンパウンドともに増強する。ニートレジンは韓国のグループ企業(TAK)で年産5千㌧を増設する。年内に意思決定し、24年度中には稼働させる計画だ。コンパウンドは今年末から来年4〜6月にかけて中国・蘇州、名古屋事業場、ハンガリー、TAKの4拠点で各1系列を相次いで稼働させる。エコカー向けを中心とした世界的な需要増に対応していく方針。

三洋化成工業・・・伸び悩み打開へ 樋口章憲社長に聞く

利益性改善が急務 既存領域の基盤強化に力

樋口章憲社長

「ここ5年間、営業利益が伸び悩んでいることが当社の課題。利益性も停滞しており、これを改善することが急務だ。短・長期の施策を図りさらなる成長を遂げていきたい」。
三洋化成工業の樋口章憲社長は経営概況説明会でこう述べ、危機感を示した。30年のありたい姿(ビジョン)として「グローバルでユニークな高収益企業」を掲げるだけに、ここ数年の停滞感に納得がいかない様子。営業利益は過去最高を記録した16年度の136億円を最後に17年度以降は120億円近辺を行ったり来たり。売上高営業利益率はかつて高吸水性樹脂(SAP)が稼ぎまくった時代は別として、16年度の9%を直近のピークにここ5年間は7〜8%台で推移している。決して悪い結果ではないが、24年度に営業利益200億円、30年度に500億円の高みを目指す同社にとって今が目標をクリアする収益基盤づくりの正念場だ。

  • 住友化学・・・超長尺CNT事業化へ イスラエル新興と協業
  • 経済産業省・・・物質由来CO削減へ CEと資源自律経済構築
  • 三菱ケミカルグループ・・・LIB電解液、25年度シェア25%に 技術供与も推進
  • 上野製薬・・・LCP、低融点品の提案強化 新規需要を喚起
  • 出光興産・・・SPS、コンパウンド増産へ 欧米に委託先も

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日本触媒・・・浸透圧発生剤 FO膜を世界市場に

造水と再利用を両立

日本触媒は新たに開発した浸透圧発生剤(ドローソリューション=DS)をキーマテリアルとする正浸透(FO)膜システムで世界市場開拓に乗り出す。エネルギー使用量を大きく低減する次世代の海水淡水化システムとして、既存の逆浸透(RO)膜システムの牙城を切り崩す。DSのサンプル供給体制を整備したほか、年内に本格的な実証に乗り出す。早期事業化により24年度までの現中期経営計画の売上高目標に貢献することを目指す。

  • 出光興産・・・SPS、内外で食品周り拡大 箸や食器、容器へ
  • 日鉄ケミカル&マテリアル・・・トンネル補強、炭素繊維シートで新工法 3者と共同開発
  • ユニチカ・・・PIワニス、多孔質形成品に力 LIB用は25年採用へ
  • レノボ・ジャパン・・・ノートPCで新機種 東レとクラレの素材採用
  • 住友化学・・・米2子会社間の資本関係を再編
  • カネカと大成建設・・・太陽光発電、都の公募事業に採択 建材一体型設備
  • 三菱ケミカルグループ・・・米バイオエタノール精製にゼオライト膜
  • 帝人フロンティア・・・タイ拠点にCO削減で太陽光導入

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  • PPSコンパウンド・・・世界需要12万㌧に エコカー向け牽引
  • 全日本空輸(ANA)・・・東レの人工皮革など 環境配慮素材を採用

全日本空輸(ANA)は、サステビリティーをテーマとした特別塗装機「ANAGreenJet(グリーンジェット)」に環境配慮型素材を採用した。 座席のヘッドレストカバーには東レと青森県発のベンチャー企業アップサイクルがそれぞれ開発し植物由来の原料を一部に使用した人工皮革を採用した。うち東レの人工皮革「ウルトラスエード・ヌー」は基材表面部分の極細繊維に100%植物由来ポリエステル、不織布構造内部に約30%植物由来のポリウレタン、スクリムと呼ばれる補強布に約30%植物由来のポリエステルを使用し、植物由来比率を世界最高水準に高めた。アップサイクルの人工皮革「リンゴテックス」はりんごの搾りかすを原料に用いた。

  • 三菱ケミカルグループ・・・横浜に新研究棟 イノベーション創出の入り口

「事業の成長は研究開発によるイノベーション創出にかかっており、新研究棟がその大きな役割を果たすと期待する。ここでサイエンスに立脚した基礎研究を中心に中長期的視野で人々、社会、地球のためにさまざまな技術や材料を開発する」こう意気込みを語るのは三菱ケミカルグループのラリー・マイクスナー最高技術責任者(CTO)。同社最大の研究開発拠点、サイエンス&イノベーションセンター(横浜市青葉区)に200億円超を投じて建設した新研究棟の開所に伴う会見で「国内外の人々とグローバルに共同作業を行う新たな場をつくる」と強調した。

  • 中国現地ポリマー活用ケース広がる・・・日系メーカー、AD対策
  • 日本触媒とトクヤマ・・・高圧AWE開発NEDO事業に
  • 双日プラネットとANA・・・航空貨物用フィルム、循環スキーム構築へ
  • JSP・・・バイオマス原料使用発泡PEを11月上市
  • 共和工業・・・ショールームを開設 成形技術や工法PR
  • 日本ソーダ工業会・・・8月のソーダ工業薬品需給状況、8月のカセイソーダ出荷内訳
  • カーボンブラック協会・・・8月のカーボンブラック実績
  • ベンゼン10月ACP・・・15㌦安の930㌦
  • 化学製品値上げ
    ・UBE・・・フェノール樹脂
    ・出光ユニテック・・・ナイロンフィルム
    ・昭和電工マテリアルズ・・・銅張積層板など

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東洋紡・・・ライフサイエンス、4年間で200億円投資

診断薬用酵素や透析膜増産

東洋紡は22年度から4年間でライフサイエンス事業の設備投資に約200億円を充てる。需要が拡大する診断薬用原料酵素と人工腎臓用透析膜の生産能力を増強する。総合研究所(滋賀県大津市)では透析膜などのメディカル製品の研究開発を行う新棟を建設する。いずれも24年に完成させる。積極的な設備投資で、重点拡大事業の一つに位置づけるライフサイエンス事業の成長を加速させる。

日本触媒 姫路製造所・・・SAP、競争力を一層強化

生産DX化 多品種を迅速に 無駄排除 勝ち残り戦略総仕上げ

独自AIとデータ標準化で原料、生産、在庫、物流まで全体を最適化した

日本触媒はコア製品の高吸水性樹脂(SAP)の競争力を一段と強化する。独自のAI(アルゴリズム)技術を持つスタートアップのアルゴ・アーティスとの協業に基づき、生産計画最適化ソリューションを共同開発。グローバル拠点のマザープラントである姫路製造所のSAP全系列に導入し、本格運用を開始した。生産のDX化により「SAPサバイバル」プロジェクトの総仕上げを図る。

  • 住友化学・・・PES、ペレットで量拡大 パウダーと双柱に
  • 三菱ケミカルグループ・・・米MMA新設計画 最終決定は来期に
  • 積水化学工業・・・電力再エネ化推進 GHG削減前倒し
  • 三井化学・・・体温に応じフィット 新素材が帽子に採用
  • 信越ポリマー・・・シリコンウエハー容器工場を追加増築
  • 出光興産・・・ネステなどとバイオマススチレン国際供給網構築へ
  • 出光興産・・・愛知製油所、石化設備譲受を完了「愛知事業所」に改称
  • KHネオケム・・・人員安全へ指針「自分を守る、仲間を守る。」を主題

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