石油化学新聞

THE PETROCHEMICAL PRESS

日本化薬・・・エポキシ樹脂、30年に向け積極増強

まず5割増の新系列

日本化薬は、半導体需要の拡大を見据えて封止材や基板向けを中心に展開するエポキシ樹脂の生産能力を厚狭工場(山口県)で継続的に増強していく。昨年2月に実施した既存設備の能力増強に続いて、24年後半には新系列を稼働させる。新系列の生産能力は既存設備の1・5倍を想定し、これによって27年ごろまでの需要増に対応できる見通しだ。既存設備は新系列の稼働後、用役整備のため休止し、需要動向を見ながら再稼働させることで30年ごろまでの需要増に応えていく考え。

  • 旭化成・・・石化技術グリーン化に本腰 方向性見極め実証へ
  • クラレ・・・23年、3拠点で新設備稼働 900億円の新投資も
  • 日本触媒・・・姫路製作所、DXで設備運営変革 高効率化目指す
  • DIC・・・海外で樹脂など能増投資を計画
新 話題とその人 

自動車業界の変化に対応する

ダウ モビリティサイエンス プレジデント
ジョン・ペンライス氏
「ダウは四つの注力市場( コンシューマー、インフラ、パッケ
ージング、モビリティ)で成長を加速するための新たな試みとして、保有する広範な製品・技術を背景にトータルソリューションを提供する窓口となるプラットフォームを20年夏に立ち上げた。その一つが『モビリティサイエンス』だ。特に自動車業界はEV(電気自動車)への移行に伴う設計変更やサスティナビリティーへの対応など、大きな変化に直面している。変化に伴う課題の解決を蓄積した材料科学とグローバルネットワークで支援し、顧客とともに成長していきたい」

THE PETROCHEMICAL PRESS

カネカ・・・住宅用太陽電池を増産

事業拡大 車載用出荷も本格化

カネカは高効率太陽電池を増産する。生産子会社カネカソーラーテック(兵庫県豊岡市)で3月までに増設ラインを稼働し、生産能力を引き上げる。住宅用途を中心とする旺盛な需要に対応する。今春には電気自動車の車載用太陽電池の本格出荷も開始し、事業拡大を加速させる。

  • 積水化学工業・・・NTTデータと実証へ ペロブスカイトPV
  • DIC・・・有機系で透明、即効性 抗ウイルス・抗菌剤
  • ポリプラスチックス・・・レーダー用ミリ波、導電PBTを新投入 レドームと二重成形も
  • 日本化薬・・・X線分析装置用部材 米で増強投資を検討
  • 東レ・・・炭素繊維材、新型ロケットJAXAの「H3」に採用
  • レゾナック・・・半導体材開発にVR 分子レベルで3次元表示
  • 東洋インキ・・・LIB用CNT分散体で米新拠点
  • 東レ・・・CFRP製大型パネル部材 高速成形技術を開発

THE PETROCHEMICAL PRESS

  • クラレ・・・LCP繊維・フィルム 年内にも増産具体化
  • クラレノリタケデンタル・・・歯科材料増産を検討
  • アキレス・・・新型「プリウス」に導電性表皮材供給
  • 中央化学・・・冷凍食品向け拡大 展示会で容器PR
  • 石油元売り3社・・・通期業績予想引き下げ 素材事業に期待
  • 住友化学・・・ISCCPLUS愛媛工場のAN取得
  • トーヨーケム・・・ラベル剥離簡単に 水系粘着剤を開発
  • コスモ石油マーケティング・・・岩谷産業と新会社 水素ステーション24年開設へ
  • ENEOS・・・堺製油所、ボイラー開放検査周期最長12年に
  • 東海カーボン・・・営業益690億円めざす 3ヵ年設備投資1230億円
  • 日華化学・・・植物由来素材で毛髪成長を促進
  • ランクセス・・・高機能素材合弁設立手続きメド
  • 国際協力銀行・・・JSRに150億円融資 買収資金。 日本製紙ハンガリーLIB材向け27億円
  • カーボンブラック協会・・・2023年カーボンブラック需要見通し
  • 東レ・・・フィルムと加工品10~20%値上げ
  • 日本エイアンドエル・・・ABS系樹脂値上げ
  • 三井化学東セロ・・・包装用フィルム値上げ
  • 日本ABS樹脂工業会・・・ABS樹脂の1月国内出荷

THE PETROCHEMICAL PRESS

東レ・・・ラージトウCF メキシコで増設検討

風力発電翼向け需要好調

東レは風力発電機翼などに使うラージトウ炭素繊維(CF)の次期増産投資の検討に入った。メキシコ工場で2月から年央にかけて増設系列の稼働により生産能力を順次引き上げるが、風力発電機翼向け需要の拡大を受け供給が早期に不足すると判断した。建設候補地は前回と同じメキシコ工場が有力で、需要動向を見極め実行に移す。

  • ダイセル・・・大竹で溶剤増産 4月から
  • クラレ・・・特殊繊維で新複合材
  • ダウ・・・LVMHと連携 製品包装 サステナブルに
  • ポリプラスチックス・・・次期社長に宮本氏

宮本仰氏

ポリプラスチックスとダイセルは、ポリプラの新社長に4月1日付でダイセルの宮本仰常務執行役員の就任(ダイセル常務執行役員は継続)を内定した。3月下旬に開催を予定するダイセルの臨時株主総会で正式決定する。ポリプラの塩飽俊雄社長は退任しダイセル専務執行役員を継続する。
宮本仰(みやもと・たかし)氏 84年信州大学繊維学部化学工学科卒、ポリプラ入社。常務執行役員営業本部長などを経て21年ダイセル常務執行役員兼マテリアルSBU長。静岡県出身、62歳。

  • 日清紡ホールディングス・・・燃料電池セパレーター、定置用で収益拡大
  • 旭化成・・・結晶セルロース 第2工場が竣工 ロゴ一新

旭化成が水島製造所B地区で建設を進めていた結晶性セルロース「セオラス」の第2工場が1月に竣工した。同製品は天然パルプを原料とする白色の粉末で、医薬品や健康食品などで錠剤の賦形剤として用いられる。今回の増設を機に、同社は製造開始から50年以上の実績を持つ「セオラス」をリブランディングする。ブランドロゴを一新、春には製品ウェブサイトをリニューアルし、さまざまな情報をプロモーショナルメッセージ「ザ・スマート・チョイス」とともに発信し、さらなる拡販に臨む。

  • RePEaT(リピート)・・・ポリエステルCR 中国社に技術提供
レゾナック・・・コア成長事業 底上げ急務

半導体材料、強気に投資

ライフサイエンス 提携も視野
レゾナックにとって発足初年度、特に足元の1~3月期は試練の船出となりそうだ。コア成長事業と位置付ける半導体・電子材料とモビリティが市場での在庫調整や生産制限の影響で赤字発進となる見込み。石油化学、化学品、黒鉛電極で構成されるケミカルやイノベーション材料といった基盤・安定事業も収益性が大きく低下。次世代事業と期待するライフサイエンスはアライアンスを含む戦略的オプションを模索する。髙橋秀仁社長は「構造改革を加速させ収益のV時回復を目指す」としつつ「半導体材料への先行投資はブレーキをかけない」と意気込む。

最近の記事一覧石油化学新聞一覧