石油化学新聞

THE PETROCHEMICAL PRESS

東レ・・・デジタル活用を加速

DX関連投資3年間で 200 億円

東レはデジタル技術の活用を加速させる。技術・研究開発、製造、事業のデジタルトランスフォーメーション(DX)により価値創出力、競争力を高め、新材料・サービスの創出、製造コスト削減などにつなげる。現場起点で考える「現場密着型」のデジタル活用を推進するため、25年度までにデジタル人材をグループ全体で2千人以上育成する。23年度から3年間でデジタル関連投資に200億円を充てる。

三井化学・・・TDI 収益ボラティリティー 一段低減へ

能力縮小し最適化 高機能・環境対応に活路

大牟田のTDIプラント

三井化学は大牟田工場で運営しているトルエンジイソシアネート(TDI)プラントの生産能力を年産12万㌧から5万㌧程度に縮小する。25年7月に設備改造を完了する予定。国際市況の乱高下による収益のボラティリティーを一段と低減させることが狙い。今回の施策を「生産能力の最適化」と称し、主に国内の軟質フォーム向けを中心とする需要に応じた安定供給体制を再構築する。これにより、かねて市況3製品と位置付けていたPTA、フェノール、ウレタン原料の構造改革は大筋で完了することになる。

  • 三菱ケミカルグループ・・・高純度硫酸、米社に製造技術供与へ 半導体向け需要増で
  • 東レ・・・OPPフィルム、土浦工場で増設検討 車載コンデンサー向け好調
  • 旭化成・・・バイオマス活用、養液栽培の実証開始 イオンGと共同で
  • 日本化薬・・・MFCAの導入拡大 GHG 無駄、ロスなくし削減
  • 帝人・・・再生医療原材料でバイオ2社と提携
  • ダウ・・・塗料・コート剤 AIで配合処方
  • 信越化学工業・・・「金川千尋未来化学財団」設立

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横河電機・・・強化学習AI 化学設備を自律制御

ENEOSマテが実装

横河電機が奈良先端科学技術大学院大学と共同開発した強化学習AIアルゴリズム「FKDPP」が、ENEOSマテリアルの四日市工場のブタジエンプラントの蒸留精製塔に正式採用されることが決まった。昨年1月の共同実証実験での35日間(840時間)連続運転でその有効性を確認後、プラント定期修理を挟んで1年間の安定・安全操業が確認されたことから、正式採用に至った。強化学習AIが大型化学プラントを直接制御する目的で実装されるのは世界で初めてとなる。

  • カネカ・・・高性能太陽電池 新型プリウスに搭載
  • 理研計器・・・最大6種を同時検知 新型ポータブルガス検知器
  • 積水化学工業・・・JERAと共同実験 ペロブスカイトPVで
  • SABIC・・・PEI AR字幕眼鏡に採用 中空成形で部品内蔵
  • 横浜ゴム・・・TWSの買収で欧州の承認完了
  • 東洋紡・・・OPPフィルムでISCC認証取得
  • 積水マテリアルソリューションズ・・・加工UV塗料膜のコロナ不活化確認
  • 三井化学・・・パリコレに紫外線照射発色の新素材を提供
  • ダイセル・・・酢酸セルロース、歯科用歯ブラシに採用

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  • PBTコンパウンド・・・車両用途が拡大 CASE追い風に
  • 発泡スチロール協会(JEPSA)・・・EPSリサイクル、香港視察団に案内
  • 財務省貿易統計・・・2023年2月石化品輸出実績、2023年2月石化品輸入実績
  • 日本ソーダ工業会・・・2023年2月カセイソーダ出荷内訳
  • 日本スチレン工業会・・・2023年2月受払表
  • 日本ポリプロピレンフィルム工業会・・・2月のOPP・CPP出荷実績
  • 塩ビ工業・環境協会(VEC)・・・2月のPVC、VCMの生産・出荷
  • 日本プラスチック板協会・・・2月の硬質塩化ビニル平板生産出荷実績、2月のポリカーボネート平板・波板生産出荷実績、2月の硬質塩化ビニル波板生産出荷実績
  • 日本化学繊維協会・・・2月の合成繊維生産・在庫量
  • 化学製品値上げ
    ・住友化学・・・EVAエマルジョン、PEとPP8~15円
    ・JSP・・・PSPを15円
    ・積水化成品工業・・・PSPを10円以上
    ・旭化成・・・塩酸を8円以上
    ・日本触媒・・・アクリル酸など
    ・東レ・・・合成繊維と不織布
    ・サン・トックス・・・PPフィルム300円

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DIC ・・・CFRPシート25年に本格販売

成形・保管の課題克服

DICは成形時間を大幅に短縮し常温での保管も可能にした新型炭素繊維強化樹脂(CFRP)プリプレグシート「DICARBO(ダイカーボ)・LF」を25年から本格販売し、電気自動車(EV)化が進む自動車業界の軽量化要求などに応えていく。自社開発・生産するウレタンメタクリレートをマトリックス樹脂にしてセーレンの技術でシート化し、両社が独自に販売する。作業性向上やCO排出減に寄与する素材として、DICは車両用を中心に30年で売上高数十億円を目指す。

  • 東レ・・・大矢次期社長・・・「市場の変化に対応新たな価値を提案」

大矢光雄次期社長(右)と日覺昭廣社長

東レの社長に6月末就任する大矢光雄副社長は会見で「これから優先的に取り組む事項は新しい価値を全社一丸となって顧客に提案し、収益拡大につなげることだ」と強調、「新中期経営課題を確実に実行しKPI(重要業績評価指標)を達成するよう注力したい」と抱負を述べた。大矢次期社長は80年の入社から約40年間、祖業の繊維事業の営業畑一筋に歩み「根っからの営業マン」を自称する。「当社のコアバリューである研究、技術開発を点から面に拡大すべく、マーケティング力を経営の領域に駆使して企業理念を実現する」と意気込む。「勝ち抜くため、マーケットや顧客のちょっとした変化を経営課題に落とし込み、それを実行する」考えだ。
大矢光雄(おおや・みつお)氏 80年慶應義塾大学法学部卒、東レ入社。12年取締役、14年東レインターナショナル社長、16年東レ専務、20年副社長。千葉県出身、66歳。

  • 旭化成・・・データ連携安全に は日本電気(NEC)の秘密計算技術を活用
  • 東レ・・・3ヵ年中計、事業利益1800億円めざす サステナブルデジタル関連 成長領域に重点投資
  • 住友化学・・・強相関電子材料、産学連携で研究 早期社会実装へ
  • 積水化成品工業・・・関東の4拠点に太陽光発電設備
  • ランクセス・・・虫よけ剤活性成分 昨年売り上げ最高
  • 大倉工業・・・ペロブスカイトPV開発新興企業に出資
  • 三菱ケミカルグループ・・・鹿島動力の株式譲渡 東京ガスに
  • ENEOSホールディングス・・・チリ銅山株51%カナダ社に売却
  • JOGMEC・・・水素とアンモニアでアラムコと関係強化
  • 日本フルオロケミカルプロダクト協議会(FCJ)・・・欧PFAS規制案に意見投稿呼びかけ
  • 日本貿易保険とJOGMEC・・・CCS技術で協力

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