石油化学新聞

THE PETROCHEMICAL PRESS

東ソー・・・高付加価値品を増産

エチレンアミン 汎用品原料に新技術

東ソーは、エチレンアミン事業で汎用品のエチレンジアミン(EDA)を原料に高付加価値製品のハイアミンを生産する新技術を開発し、実用化にメドを付けた。南陽事業所(山口県周南市)の生産設備に新技術を早期に導入する計画だ。需給緩和でEDAの採算性が大きく悪化するなか、採算性の高いハイアミンの増産と拡販で収益改善につなげる。

PPGの生き残りかける 三井化学と三洋化成

「ジャパンポリオール」設立

記者会見で握手する三洋化成の樋口社長(左)と三井化学の橋本社長

構造改革は効率化から
相互受委託と原料調達で協力

三井化学と三洋化成工業によるポリプロピレングリコール(PPG)事業の構造改革は、折半出資の有限責任事業組合(LLP)「ジャパンポリオール」を設立する第一段階から始動する。設備老朽化と国際競争の激化という共通課題を抱え、国内市場で3分の1ずつのシェアを持つPPGトップメーカー同士が生き残りを賭けて生産の相互受委託や原料調達協力で合理化の可能性を追求する。両社は長年にわたり国内やアジア市場でポリウレタン原料事業を展開。高機能グレードの開発や新規用途開拓など技術力に定評があり、好敵手の関係にあった。その両社が手を携え、まずは両社のプラントを相互活用する最適生産体制の整備や、原料PO(プロピレンオキサイド)の調達協力などから効率化を検討し、早期に具体的な施策実行に移行する構えだ。

  • 日鉄ケミカル&マテリアル・・・基板用低Df樹脂、ビニル系の拡大進展
  • UBE・・・中計設備投資、特殊化へ300億円増額
  • 東ソー・・・半導体薬液容器用 HDPEを増産へ
  • 東レ・日覺昭廣社長・・・水素製造電解質膜、25年メドに実用化
  • 石油化学工業協会・岩田圭一会長・・・競争力強化へ努力 CN新技術国際連携で効率的に

<特集>具体的計画を推進する化学企業のRC活動

化学各社は積極的なレスポンシブル・ケア(RC)活動を通じて、地球環境や安全に配慮した事業を強化している。また、カーボンニュートラル(CN)の実現に向けた取り組みを加速。まずは今ある技術を総動員し、省エネルギーやGHG(温室効果ガス)排出量を削減。そのうえで化学の力で新たなイノベーションを巻き起こし、社会に実装していく。主要化学企業の環境・安全活動の最前線を探る。

JNC

  • 教育システム、労災事故防止へ改善
  • デジタル化推進、VRや動画など

三菱ガス化学

  • 安全活動の範囲拡大
  • 配管外観検査にAI活用

クレハ

  • 新中長計、8年で環境投資100億円
  • CO削減や廃棄物低減へ

日本化薬

  • GHG削減、太陽光発電導入を拡大
  • MFCA、成果踏まえ積極適用

デンカ

  • 新経営計画、CO排出削減を加速
  • アセチレン新製法30年度実用化へ

レゾナック

  • 持続的発展を根幹に
  • 環境負荷低減 RC軸にグループで

トクヤマ

  • 気候情報を国際標準化
  • 環境負荷低減へ取り組み継続

東ソー

  • GHG削減 バイオマス発電を新設
  • CO回収、原料化も推進

最近の記事一覧石油化学新聞一覧