石油化学新聞

THE PETROCHEMICAL PRESS

三菱ケミカル・・・送液システム、ポンプ不要で小型省エネ

サーバー冷却用に提案

三菱ケミカルは、ポンプが不要な送液システムを開発した。従来の送液システムに比べ大幅な静音化、小型軽量化、低消費電力化、高耐久化を実現するのが特徴だ。サーバーなどの冷却用途を想定して提案を進め実用化を目指す。
新しい送液システムは、シリコーンオイルや機械油といった電気絶縁性の液体に電圧を加えると電極間に液体の流れが発生するEHD(電気流体力学)現象を利用したもの。ポンプのような機械的な駆動部が必要ないため、音がほとんど発生せず、小型軽量化も実現する。

新社長インタビュー・・・日清紡HD 石井靖二氏

無線・通信軸に稼ぐ力 マテリアル事業 方向性決定も
「稼ぐ力が弱いのが当社の最大の課題。とにかく利益を上げたい。それができなければ当社の未来は語れない」
抱負を聞かれ開口一番こう語るのは日清紡ホールディングスの社長に3月28日付で就任した石井靖二さん。24年12月期で3%にとどまった売上高営業利益率の改善に全力を挙げる。
主要施策として「特にキャッシュインのポテンシャルが高い無線・通信事業の構造改革を急ぐとともに、(24年12月期に営業赤字に沈んだアナログ半導体を手掛ける)マイクロデバイス事業の構造改革にも取り組む」。
無線・通信事業は近年、M&Aを繰り返し規模拡大してきた。現在、中核を担う日本無線に加え、23年は日立国際電気(現国際電気)を買収し連結子会社化した。

  • 旭化成・・・新中計で1兆円投資 医薬・海外住宅・電材に重点
  • 三洋化成工業・・・医療用機能性タンパク質、米市場展開に本腰 論文掲載し協業募集
  • 三菱ガス化学・・・循環型エタノール、パナソニックの配線器具原料に

    シルクエラスチンのスポンジ

    三菱ガス化学のCOを原料とする環境循環型メタノールが、パナソニックグループが手掛ける配線器具に使うユリア樹脂の原料に採用された。環境循環型メタノールが具体的な製品原料に採用されたのは初めて。 三菱ガス化学が新潟工場で製造する環境循環型メタノールを原料に、子会社のMGCウッドケムでホルムアルデヒドを製造し、パナソニックグループへ供給する。パナソニックグループはホルムアルデヒドを原料にユリア樹脂と配線器具を製造する。この環境配慮型ユリア樹脂を使用した配線器具の第1弾となる電気コンセントは25年度中にも発売する。

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  • 住化アクリル販売・・・PMMAシート、アクスタ向け新品種 販売 インク密着性向上
  • ハリマ化成・・・アスファルト再利用、ロジン系添加剤を開発
  • 日本触媒・・・EV向け 新規電解質の工場建設 北九州市響灘で大勝負

    立地協定を締結した武内・北九州市長(写真右)と野田・日本触媒社長

    日本触媒はリチウムイオン電池(LIB)用新規電解質「イオネル」で、国内初となる量産プラントを福岡県北九州市の響灘地区に建設することを決めた。同社にとって北九州は初進出となるが、北部九州地域はLIBや自動車産業など需要業界の集積地。製品の性能や品質には絶対の自信を持ち、国や自治体からの手厚い支援を得て、新天地で大勝負に打って出る。

  • ダイセル・・・3Dで万博建築物 酢酸セルロース造りで

    酢酸セルロースを使用した「森になる建築」外観

    ダイセルは、同社が協賛協力し竹中工務店が日本国際博覧会(大阪・関西万博)の会場「大地の広場」で昨年8月から3Dプリンターにより建築中だった「森になる建築」が完成した。ダイセルの酢酸セルロース樹脂「CAFBLO」を使用し、最先端の3Dプリント技術と手づくりの技を酢酸セルロース造りで3Dで万博建築物融合させ、環境配慮型の新たな建築を提案する。

  • 旭有機材と栗田工業・・・樹脂バルブ、PFAS代替実証へ 早期実用化目指す
  • 帝人フロンティア、愛知県田原市など5者・・・災害時汚水処理技術ガイドライン化
  • 東洋紡・・・最薄シュリンクFAPR認証を取得
  • 東レエンジニアリング・・・トラック入場管理システムを発売
  • 北海道大学・・・安価で自作可能な材料合成ロボット
  • ゼオンノース・・・災害時用アルミ製緊急仮設橋を開発

    日本ゼオン子会社のゼオンノース(富山県高岡市)は災害時用のアルミ製緊急仮設橋を開発した=写真。アルミの軽量さを生かし、被災地に中型トラック車での輸送が可能で、4㌧車両積載型トラッククレーンと人力だけで短時間で架設できるのが特徴だ。大型重機が入れない災害現場での交通網寸断を早期に解決し、いち早く人命救助に寄与できるとみている。

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三井化学・・・PUコア営業利益 30年度に100億円超

MDI高機能化を追求

三井化学はポリウレタン(PU)事業でジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)の高機能化を追求し収益の最大化を図る。30年度に石油化学関連のベーシック&グリーンマテリアルズ(B&GM)のコア営業利益360億円(24年度見込みは損失100億円)にする目標を掲げるなか、うち100億円以上をPU事業で稼ぐ計画だ。

  • 三菱ケミカル・・・難燃性コンパウンド、中仏で生産拡充
  • 国内オキソアルコール・・・価格是正に本腰 安定供給継続へ コスト上昇分転嫁
  • 三菱ケミカルと三井物産・・・プラスチック容器 万博会場で資源循環
  • 押出法ポリスチレンフォーム(XPS)・・・ビル向け需要拡大 生コン高騰追い風に 施工性も再評価
  • 日本ABS樹脂工業会・・・ABS樹脂の3月国内出荷
  • 三井化学・・・分子制御技術を駆使 界面活性剤に新機能
  • 帝人・・・車向け複合成形材料北米事業会社を売却
  • 発泡スチレンシート工業会・・・2025年3月のPSP出荷実績
  • 東ソー・・・光学ポリマー、慶大と共同研究
  • UBE・・・ソフトセンサーDXへ積極導入
  • カーボンブラック協会・・・2月のカーボンブラック実績
  • 三菱ケミカル・・・岡山生産のPVOH、ISCC認証を取得
  • 化学製品値上げ
    ・JNC・・・オキソ誘導品を21日出荷分から1㌔㌘15円以上値上げする。対象はノルマルブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、オクタノール、ノルマルブタノール、イソブタノール、塗料・接着剤添加剤、オクチル酸。
    ・三菱ケミカル・・・2軸延伸ナイロンフィルム(厚さ15㍈換算)とそのガスバリア品(同)、透明蒸着フィルムのナイロン系(同)とPET系(12㍈換算)を5月1日納入分から1連(500平方㍍)500円値上げする。

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クラレ・・・PA9T 世界展開を加速

30年ごろタイ増設

クラレはオンリーワン製品のポリアミド9T樹脂(PA9T)「ジェネスタ」の高い物性と国内外3拠点からの供給により世界展開を加速させる。電気・電子用を主力としていた市場は車両や食品接触、住設関連へも広がっており、引き続き主力を伸ばしながら新規を含む用途拡大に拍車を掛ける。30年ごろに計画するタイでの増設増産に向けて電気・電子用以外で半分を確保できるように応用分野を広げ、一層の事業基盤強化につなげる。

  • 旭有機材・・・末留末喜取締役副社長執行役員兼COOに聞く

樹脂事業 成長を促進
新材料で産業界支援
ノボラック、国内第3工場視野
電材、半導体後工程に照準 現場発泡ウレタン拡販
旭有機材は樹脂事業部でフェノール樹脂の合成技術をベースに素形材、電子材料、発泡材料を展開している。素形材の海外事業や電子材料は好調に推移する一方、国内では人手不足や原材料価格高騰などの環境変化で需要先の業界は厳しい状況にあり、材料メーカーにも対応が求められている。末留末喜取締役副社長執行役員兼COO樹脂事業部長に事業戦略を聞いた。
―素形材は鋳物産業のサステナビリティーが課題です。

  • DIC・・・工業用テープ、複合化で市場拡大 粘着層に機能付与
  • デンカ・・・スチレン系資源循環新ブランド立ち上げ
  • 日本ゼオン・・・バイオイソプレン建設準備の段階に
  • ダウとX―エナジー・リアクター・カンパニー・・・先進原発建設へ申請 30年代の稼働めざす
  • デンカ・・・低炭素アセチレン共同開発を断念
  • 早稲田大学・・・JX金属と共同でエチレンとCO交互生産を実現 新プロセス開発
  • 三井化学・・・DNAチップ研究所(川崎市)を連結子会社化

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